大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)207 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人小川清俊の上告理由第一点について。

原判決の引用する一審判決は、その措辞妥当を欠く点はあるが、要するに、上告

人の主張するような再売買の予約のあつたことはこれを認めるに足りる証拠がない

旨判断し、ただ被上告人は訴外Dと、右訴外人において昭和二六年一一月二五日ま

でにその代金の点を含めて本件山林の再売買の交渉をすることができることを約束

したが、右訴外人がその交渉をすることなく期限を徒過してしまつたので、右約束

はその効力を失つたものと判断しているものであることは、原判文上明らかであり、

原判決における右判断は原判決挙示の証拠に照らし相当である。被上告人に代金の

協定について所論のような協力義務があるとする主張は、原判決の認定に副わない

事項に基ずく主張であつて、これを前提とする所論は採用できない。論旨は理由が

ない。

同第二点について。

保証書による登記申請が本来許されない場合であつても、一旦受理されて登記が

なされた以上は、それが実体的権利関係に合致する限り、右登記は有効であること

は、論旨において引用する当裁判所の判例(昭和二九年(オ)二七七号、同三一年

七月一七日第三小法廷判決民集一〇巻七号八五六頁)であり、二重売買の場合にお

いてもこれと異別の見解をとるの要を見ない。されば右と同一趣旨に出でた原判決

の判断は正当であり、論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 高 橋 潔

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 石 坂 修 一

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